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猫風邪のサインを見逃さない|くしゃみ・鼻水・咳と重症化のリスク
「最近、うちの猫がよくくしゃみをするけれど、元気そうだし、このまま様子を見ていても大丈夫かな?」
そんなふうに思ったことがある飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。
猫のくしゃみや鼻水は一見するとちょっとした症状に見えるかもしれませんが、実は「猫風邪(上部気道感染症)」の初期サインである可能性があります。
特に、子猫、高齢の猫、そしてワクチンを接種していない猫では、症状が急速に悪化することがあり、適切な対応が遅れると重症化してしまうケースも少なくありません。
今回は、猫風邪の原因や代表的な症状、見分け方のポイント、そして治療や予防の方法について解説します。

■目次
1.猫風邪とは?|よくある原因と代表的なウイルス
2.症状別に見る猫風邪のサイン|くしゃみ・鼻水・目やに・咳など
3.猫風邪の進行パターン|軽症から重症化までの流れ
4.病院へ行くべきタイミングとは?|受診の判断ポイント
5.猫風邪の治療法とホームケア|ウイルスにどう向き合う?
6.まとめ|猫のくしゃみは風邪のサインかも?迷ったら早めにご相談を
猫風邪とは?|よくある原因と代表的なウイルス
猫風邪とは、「猫カリシウイルス感染症」や「猫ヘルペスウイルス感染症(猫伝染性鼻気管炎)」などによる上部気道感染症の総称です。
これは、ウイルスが鼻や喉といった上気道に感染し、くしゃみ・鼻水・咳などの呼吸器症状を引き起こします。
原因となるウイルスはいくつかありますが、代表的なものは以下の通りです。
<猫ヘルペスウイルス(FHV-1)>
このウイルスに感染すると、くしゃみや鼻水に加えて、目やにが多く出ることがよくあります。
また、一度感染するとウイルスが体内に潜伏しやすく、ストレスなどをきっかけに再発を繰り返すことがあるのも特徴です。
<猫カリシウイルス(FCV)>
こちらもくしゃみや鼻水といった症状が出ますが、さらに口内炎や舌に潰瘍ができることがあり、発熱を伴うケースもあります。
口の中が痛むため、ごはんを食べづらそうにする様子が見られることもあります。
このほかにも、クラミジアやボルデテラ属菌などの細菌が同時に感染(併発)することで、症状がより重くなることがあります。
特に複数の病原体に感染している場合は、回復までに時間がかかることもあるため、早めの対処が大切です。
中でも、子猫・高齢の猫・ワクチンを接種していない猫は注意が必要です。
これらの猫は免疫力が弱く、一見軽く見える症状でも悪化しやすいため、たとえ少しのくしゃみでも油断は禁物です。
症状別に見る猫風邪のサイン|くしゃみ・鼻水・目やに・咳など
猫風邪の初期症状は、ごくわずかな変化から始まることが多く、飼い主様から見ると「いつもとちょっと違うな」と感じる程度かもしれません。
しかし、そうした小さなサインこそが、病気の始まりを知らせてくれている可能性があります。
以下のような症状が見られたときは、猫風邪を疑って注意深く様子を見てあげてください。
◆ くしゃみ・鼻水
猫風邪でもっともよく見られる代表的な初期症状です。
はじめは透明でサラサラした鼻水が出ることが多く、軽いくしゃみが続く様子が見られます。
しかし、症状が進行すると、黄色や緑色の粘り気のある鼻水(膿性鼻汁)へと変化していくことがあります。
鼻が詰まってしまうと口呼吸をするようになり、舌を出して呼吸するような仕草が見られることもあります。
◆ 目やに・涙
主に猫ヘルペスウイルスが原因で起こる結膜炎によって、目やにが増えたり、目が赤く腫れたりすることがあります。
特に黄色っぽいドロッとした目やには、感染のサインかもしれません。
重度になると角膜潰瘍(目の表面に傷ができる状態)を引き起こす恐れもあるため、放置は危険です。
◆ 咳
猫風邪で咳が出ることは比較的少ないですが、ウイルスが喉や気管、あるいは肺まで炎症を広げた場合には、咳が現れることがあります。
特に、咳と同時に元気がない・呼吸が荒い・発熱しているなどの症状がある場合は、肺炎などの重症化が疑われる状態です。
<その他の症状>
・元気がない
・食欲が落ちる
・よだれが増える
・発熱する
・呼吸が速く、苦しそうに見える
これらの症状は、風邪が進行しているサインかもしれません。
「いつもより様子がおかしいな」と感じたら様子を見続けず、早めの受診を心がけてあげてください。
猫風邪の進行パターン|軽症から重症化までの流れ
猫風邪は、最初は軽いくしゃみや鼻水だけといったごく軽い症状から始まることが多いですが、そのまま様子を見ているうちに症状が進行し、重症化してしまうリスクもあります。
以下では、猫風邪の進行パターンを段階ごとにご紹介します。
<初期段階>
・くしゃみ
・透明でサラサラした鼻水
・少量の目やに
いわゆる「風邪っぽいな」と感じるような、軽度の症状が見られる時期です。
この段階では猫自身も比較的元気にしていることが多いため、見過ごしてしまいがちです。
しかし、ここでの早期対応が、その後の重症化を防ぐカギとなります。
<進行段階>
・黄色や緑色の膿のような鼻水
・濃い目やに、涙目
・発熱
・食欲の低下
症状が悪化し、猫の体力が少しずつ奪われていく段階です。
この頃には細菌などによる二次感染が起きている可能性もあり、治療を始めないと回復が遅れてしまうことがあります。
<重症化・慢性化段階>
・肺炎や気管支炎を併発する
・鼻の炎症が慢性化し、慢性鼻炎に
・口内炎が生じてごはんを食べにくくなる
・呼吸が苦しそう、ぐったりする
ここまで進行すると、命に関わる深刻な状態になることもあります。
<早期発見・早期治療が何より大切>
猫風邪は、早めの治療によって進行を食い止めることができます。
「ちょっとおかしいかな?」と感じた時点で、すぐに動物病院で診てもらうことが、愛猫の健康を守る第一歩です。
病院へ行くべきタイミングとは?|受診の判断ポイント
猫風邪は進行が早いこともあるため、症状が2日以上続くようであれば、早めに動物病院を受診するのがおすすめです。
特に、以下のような症状が見られる場合は、すぐに診てもらうことを検討しましょう。
<受診を検討すべき主なサイン>
・くしゃみが止まらない、鼻水が膿のように濁っている
・ごはんを食べない、水も飲まない
・呼吸が荒く、鼻づまりで苦しそうにしている
・目がしょぼしょぼしている、目やにが急に増えた
・明らかに元気がなく、寝てばかりいる
こうした症状が見られる場合、すでに風邪が進行している可能性があります。
<動物病院で伝えたいこと>
受診の際に、以下の情報を事前にメモしておくと、診察がスムーズに進みます。
・症状が出始めた時期と、どれくらい続いているか
・最近の食欲や水の飲み方の変化
・他の猫との接触歴(完全室内飼いか、外出の有無など)
・ワクチンの接種状況(接種日や種類)
こうした情報があると、獣医師が原因を特定しやすくなり、より適切な治療につながります。
猫風邪の治療法とホームケア|ウイルスにどう向き合う?

猫風邪の原因となるウイルスには、現時点では特効薬が存在しません。
そのため、治療はウイルスそのものを直接退治するのではなく、症状を和らげながら回復をサポートする「対症療法」が中心となります。
では、実際にどのような治療が行われるのでしょうか?
また、ご自宅でできるお世話のポイントもあわせてご紹介します。
< 動物病院で行われる治療>
猫の症状や体調に応じて、以下のような治療が選ばれます。
◆ 内服薬
抗ウイルス作用のある薬や、免疫の働きを整えるお薬が使われることがあります。
◆ 抗生物質
ウイルス感染により抵抗力が落ちると、細菌による二次感染を起こすことがあります。
その際に使用されます。
◆ 点眼薬・点鼻薬
結膜炎や鼻づまりを和らげるために、目薬や鼻用のお薬が処方されることもあります。
◆ ネブライザー療法(吸入療法)
微細な霧状のお薬を吸い込ませることで、気道に直接アプローチし、呼吸をラクにします。
<自宅でできるホームケア>
病院での治療と並行して、ご家庭でも猫が快適に過ごせるようにサポートしてあげることが大切です。
◆ 静かな環境で、しっかり休息
体力の回復には、落ち着いた空間でよく休むことが何より大切です。
◆ 湿度を保つ(目安は50〜60%)
加湿器の使用や、濡れタオルを干すなどして、空気が乾燥しないようにしましょう。
鼻や喉の粘膜を潤すことで、呼吸がしやすくなります。
◆ 鼻づまりのケア
鼻が詰まっているとごはんや水が摂りにくくなります。
ぬるま湯で湿らせたタオルで鼻先をやさしく拭いてあげると、少しラクになることがあります。
◆ 食事の工夫
香りの強いウェットフードや、温めてふやかしたフードは食いつきがよくなることがあります。
食欲が落ちているときでも、できるだけ栄養と水分を摂れるように工夫しましょう。
◆ 水分補給のサポート
普段より水を飲む量が少ないと感じたら、ウェットフードを増やすなどして水分摂取を促してあげてください。
<多頭飼いの際の注意点>
複数の猫を飼っている場合、猫風邪は他の猫にうつる可能性があります。
発症している猫と、まだ症状が出ていない猫は、できるだけ部屋を分けて隔離し、食器やトイレも別々にすることが大切です。
また、飼い主様の手や衣類を介して感染が広がることもあるため、お世話の後は手洗いを徹底しましょう。
まとめ|猫のくしゃみは風邪のサインかも?迷ったら早めにご相談を
猫風邪は決して珍しい病気ではありませんが、軽いくしゃみや鼻水から始まって、重症化してしまうケースもあるため、決して油断はできません。
「たかがくしゃみ」と軽視せず、少しでも気になる症状が見られたら、早めに動物病院へご相談いただくことが大切です。
特に子猫や高齢猫、ワクチン未接種の猫では重症化しやすいため、早期受診が何よりも重要です。
もし、愛猫のくしゃみ・鼻水・咳が続いているようでしたら、小さなことでもかまいませんので、お気軽に当院までご相談ください。
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