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犬や猫に多い皮膚病|疥癬・毛包虫症(アカラス)・真菌の症状と治療法

犬や猫の皮膚病は、かゆみや脱毛といった症状が現れることが多く、中でも毛包虫症(アカラス)や疥癬(かいせん)、真菌感染症には特に注意が必要です。

これらの皮膚病は適切に治療しないまま放置すると症状が悪化し、他の動物や人間にも感染する可能性があります。

そのため、早期発見と早期治療がとても重要です。日々の様子をよく観察し、異常を感じた際には迅速に対応することが愛犬や愛猫の健康を守るための大切な一歩となります。
特に、かゆみや脱毛といった異変を見つけた場合には、すぐに動物病院で診察を受けましょう。

今回は、犬や猫に多い代表的な皮膚病「疥癬」「毛包虫症(アカラス)」「真菌感染症」について、その症状や治療法を詳しく解説します。

■目次
1.疥癬・毛包虫症(アカラス)とは?
2.疥癬・毛包虫症(アカラス)の症状
3.真菌(皮膚糸状菌)感染症とは?
4.真菌感染症の症状
5.動物病院での診断方法
6.治療方法
7.感染予防と日常のケア
8.まとめ

 

疥癬・毛包虫症(アカラス)とは?

疥癬やアカラスは、ダニの一種による感染症です。この病気を引き起こすダニは、接触感染によって広がり、犬と猫では原因となるダニの種類が異なります。
さらに、これらのダニは人に感染する可能性もあるため、特に注意が必要です。

感染経路としては、直接的な接触だけでなく、感染した動物が使用した寝具やカーペット、ブラシなどを介して広がることもあります。

 

疥癬・毛包虫症(アカラス)の症状

疥癬や毛包虫症(アカラス)の代表的な症状は、激しいかゆみです。特に、耳や腹部といった部位に症状が現れやすい傾向があります。

このかゆみが原因で、愛犬や愛猫が皮膚を引っ掻いて傷つけてしまうことがあり、そこから細菌感染(いわゆる二次感染)が起こるリスクも高くなります。

さらに、症状が進行すると、赤かった皮膚が次第に灰色から黒っぽく変色したり、毛が抜けてしまったり、皮膚が分厚く硬くなる(肥厚)といった変化が見られることもあります。

こうした症状は、早期に治療を始めることで悪化を防ぐことができます。かゆみや脱毛など、少しでも異常を感じた場合はすぐに動物病院で診察を受け、適切な治療を開始することが大切です。

 

真菌(皮膚糸状菌)感染症とは?

真菌感染症は、真菌(カビ)の一種である皮膚糸状菌が原因で起こる病気です。この感染症は接触感染によって広がり、人にも感染する可能性がある人獣共通感染症です。
そのため、愛犬や愛猫が感染した場合には、飼い主様も感染しないように注意が必要です。

特に、湿気の多い環境や清潔が保たれていない環境では、真菌が繁殖しやすくなります。感染経路としては、感染した動物との直接的な接触のほか、感染した動物が使った寝具やブラシ、カーペットなどを介して広がることもあります。

 

真菌感染症の症状

真菌感染症の特徴的な症状は円形の脱毛で、特に顔や四肢といった部位に症状が現れやすい傾向があります。

ただし、かゆみの有無やその程度は個体差があり、強いかゆみを感じる場合もあれば、ほとんど気にならない場合もあります。

他の皮膚病と区別するポイントとして、脱毛部分の形状や皮膚の状態を観察することが重要です。真菌感染症の場合、脱毛した部分の皮膚が赤みを帯び、鱗屑(フケのようなもの)が見られることがあります。

 

動物病院での診断方法

皮膚病を正確に診断するために、皮膚掻爬検査や培養検査といった検査方法が用いられます。

皮膚掻爬検査:皮膚を軽くこすり取ってダニや寄生虫を調べ、アカラスや疥癬の原因となる病原体を確認します。

培養検査:皮膚や毛のサンプルを培地で育てることで、真菌(カビ)や細菌の種類を特定するために行われます。

これらの検査によって、皮膚病の原因をしっかり特定することができ、正確な治療につなげることができます。

 

治療方法

診断結果に基づき、適切な治療が始まります。

疥癬・毛包虫症(アカラス)の場合ダニを駆除するための薬剤が使用されます。

真菌感染症の場合抗真菌薬が処方され、病原体をしっかりと取り除く治療が行われます。

治療には、外用薬(塗り薬)や内服薬が一般的ですが、必要に応じてシャンプー療法が併用されることもあります。

さらに、治療中に薬の効果が見られない場合は、耐性が疑われるケースがあります。その際は、別の薬剤に切り替えて治療を続けます

 

感染予防と日常のケア

新しい家族として愛犬や愛猫をブリーダーやペットショップから迎えた際には、感染症の可能性を考慮して、皮膚の状態をしっかり観察しましょう。

特に、既に他の犬や猫と一緒に暮らしている場合は、感染を防ぐために、動物病院での診察を先に受けたり、しばらく隔離したりすることが有効です。

また、日常的なケアとして、定期的なグルーミングを行うことは皮膚病予防に効果的です。
さらに、愛犬や愛猫が過ごす環境、例えば寝床や遊び場、グルーミング用品を常に清潔に保つようにしましょう。
もし、感染が疑われる場合は、他の動物とはできるだけ隔離し、すぐに動物病院で診察を受けることが大切です。

また、皮膚に少しでも異常を感じた場合は、かかりつけの獣医師に早めに相談することで、症状の悪化や感染の広がりを防ぐことができます。

 

当院では、トリミングサロンで薬浴治療やハーブパック治療なども行っております
詳しくはこちらよりご確認ください。

当院のトリミングについて

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トリミング専用:090-2595-7739

 

まとめ

犬や猫の皮膚病は、かゆみや脱毛といった症状が見られることが多く、特にアカラスや疥癬、真菌感染症は注意が必要です。これらの皮膚病を放置すると、症状が重症化し、他の動物や飼い主様ご自身に感染してしまう可能性もあります。

皮膚病のサインは比較的見つけやすいため、愛犬や愛猫を日頃からよく観察することが、健康を守る第一歩です。もし異常を感じた場合は、迷わず動物病院で診察を受け、迅速に対処することが大切です。

 

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